見知らぬ人でなく
監督
スタンリー・クレイマー
出演
ロバート・ミッチャム
オリヴィア・デ・ハヴィランド
フランク・シナトラ
チャールズ・ビックフォード
グロリア・グレアム
ストーリー
幼少から医者に憧れていたルークは母の計らいでその道に進むことが出来だが、母の死後飲んだくれの父に学費を使い果たされ退学処分を受けそうになる。その頃、手術の見学を取り計らってくれた看護師クリスと親しくなり、彼女の友達の家へ親友アルと共に招かれた時、彼女が金持ちであることを知った。野心に駆られたルークはクリスと結婚する…。
アル(フランク・シナトラ)、ルーク(ロバート・ミツチャム)、クリス(オリヴィア・デ・ハヴィランド)
ルークは勤勉な医学生だ。仲間からも一目置かれいる存在だ。
しかし、母親がルークのために貯金した金を全て父親が酒に変えてしまった。父親を責めても空しさしか残らないルーク…。彼は学費調達のため、奔走することになる。
研究熱心なルーク
普段から何かと世話になっているアーロンズ教授に小額だが金を借りることが出来、なんとか退学までの期間を延ばすことが出来た。
そんな時、救いの天使が現れる。彼に密かに思いを寄せている看護師クリスである。クリスは何かとルークの願いを聞き入れてきた。そのクリスがアルとルークをパーティに誘った。2人は手術を見せてくれたお礼に出席する。
その席で、実はクリスは倹約家で貯金が3万4千ドルもあることをルークは知る。ルークの野心が頭をもたげた…。クリスは年上で決して美人とは言えない。しかし…金があり、自分に好意を寄せている。
早速ルークはクリスをデートに誘い、恋人になることに成功する。
ある日ルークはクリスにプロポーズするが、しかしとてもそんな状況ではないと告白する。“退学”になる。それでクリスには充分だった。自分が金を出すから、医者になってほしいと言い出す。何としてでも医者にさせる、と。
しかし、ルークがクリスと結婚するのは、金と引き換えの義務からだった…。
結婚もし、研修期間も終わり、ルークたちは「医者」になった。
ルークはグリーンヴィルという小さな町医者になる。
毎日が目まぐるしい忙しさだ。
その中でテキパキと患者をさばいていくランクルマン医師にルークは尊敬の念を抱いていく…。
専業主婦となったクリスは、ルークとの子供を希望しはじめる…。
ある夜、馬丁がケガをしたという電話がルークの許に入る。そこでラング夫人と会う。意識しあう2人…。何か運命的なものを感じた…。
昨夜のことは、ランクルマン医師にはもう届いていた。警告されるルーク。
そこに薬局のセールスマンがやって来る。最新式の聴診器を売りに来たのだ。
ルークはランクルマンの胸に聴診器を当てる…。沈黙が流れる…。
ランクルマンは聴診器を買うことにした。
ランクルマンは心臓病にかかっていた…。休養を進めるルークだが、ランクルマンは聞こうともしない。
手術…スナイダー医院長が参加するが、何も役に立たない男だった。
久しぶりの非番、ルーク夫妻とランクルマンは町のクラブで楽しんでいた。ラング夫人も偶然来ていた。楽しげに踊る2人。何かを感じ始めるクリス…。自然と酒のピッチが早くなる。
その夜、寝室でクリスは言った。「私たち、子供を作ってもいいころよ」と。しかし、ルークの返事はつれなかった。「まだ無理だ」と。
ラング夫人(グロリア・グレアム)と
恋に落ちるルーク
そんな中、クリスの妊娠が発覚した…。しかしルークには言えない…。
ルークはそんなことは露知らず、いつの間にか頻繁に足が向いていたラング夫人とついに恋に落ちる…。
― いやはや、これは“珍品”中の“珍品”ですぞ。
なんてったって“マッチョ”なロバート・ミッチャム、“遊び人”のフランク・シナトラが懸命に人の命を救おうとする医者を熱演!!(その仲間に、リー・マーヴィンまでいる!)
そして、ロバート・ミッチャムと恋に落ちる謎めいた退屈なラング夫人に、グロリア・グレアム!!(出番は少ないものの、今回も強烈な印象を残しております。アンニュイなのね~)
そんな、どミスキャストの故なのか、映画が長い、長い。色んな要素を詰め込みすぎたのね。
ルークの退学問題から、クリスとの結婚。医者になり小さな町の医者になって希望に燃えたはいいが、勉強したような病気とは無縁だ。それなのに目の廻る忙しさ。
尊敬しているランクルマン医師は心臓病を患っていて、いつ倒れるかも分からない。医院長のスナイダーは役に立たない人物ときている。
そして最初の出会いから意識していたラング夫人との恋。望まないクリスの妊娠…。
絶望のクリス…
おまけに病院に腸チフスの患者が出て、クリスと2人で協力して患者を回復に導くが、「君は最高の看護師だ。子供が欲しいなんて言わないで、この病院で働かないか?」というルークの無神経な誘いにクリスは絶望する。クリスはラング夫人とルークの関係まで知ってしまった…。クリスはルークを家から追い出す。
そして、ついにランクルマン医師が倒れる…。
どうだ、「詰め込みすぎ」とはこういうことを言うのだ。
男性陣はミスキャストもいいところだが、女性陣はしっくりいってます。
クリス役のオリヴイア・デ・ハヴイランドは、何をやらせても上手い人だが、このクリス役は「女相続人」のバリエーションでしたね。看護師としての腕の良さが本物か?というほどリアルであった。
誘う女、ラング夫人。グロリア・グレアムは、もう居るだけでいいの。ちょうど熟した果実のように甘く誘う…。
要するにこの映画は、男性陣のミスキャストに笑い、女性陣の名演に酔うというよく分からない作品なのだ。
スタンリー・クレイマー監督は、「製作者」としては、素晴らしい作品を世に送り出している人なんですね。これが、製作・監督もかねた第一作目だそうです。
「製作者」としては、カーク・ダグラスが強烈な印象を残した「チャンピオン」、ホセ・ファラーがアカデミー主演男優賞を受けた「シラノ・ド・ベルジュラック」、アーサー・ミラーの戯曲「セールスマンの死」、ゲイリー・クーパーの「真昼の決闘」、ボギーの狂った演技が素晴らしかった「ケイン号の叛乱」などを世に出しているんですね。
その後、製作・監督としても、「手錠のままの脱獄」、「渚にて」、「ニュールンベルグ裁判」、「招かれざる客」など、結構社会派なんですな。
しかし、監督デビューは「製作」ほど簡単にはいかず、ですね。
かくしてこの作品は、彼のほろ苦い監督デビュー作となったわけです。
グロリア・グレアムが出ていなかったら、紹介しなかったかも知れない作品でもある…。
| 固定リンク | コメント (2) | トラックバック (0)




















最近のコメント