ワーロック
監督
エドワード・ドミトリク
出演
リチャード・ウィドマーク
ヘンリー・フォンダ
アンソニー・クイン
ドロシー・マローン
ドロレス・マイケルズ
ストーリー
ワーロックの町では、マキューンの経営するサン・パブロ牧場のならず者たちが暴れまわっていた。部下の1人は散髪屋に難癖をつけ殺した。翌日、町の住人は集会を開き、町を自衛するために凄腕保安官クレイを呼ぶことにした。マキューンの部下の1人、ジョニーは自分たちの行為を恥じており、町に残ることしたが…。
やって来た救世主クレイ(ヘンリー・フォンダ)と、相棒の賭博屋モーガン(アンソニー・クイン)
早速マキューン一味がモーガンの経営する酒場「フランス宮殿」へやって来た。クレイと対峙する腹積もりだ。早速腹心の部下ゲートがクレイに難癖をつけるが、彼は軽くやり過ごしマキューンに宣言した。
「私は町に雇われた保安官だ。2つの規則を定め徹底的に守る。第1に、撃ち合いを始めた者は私が殺す。第2は、騒ぎを起こした者は町から追放する。これは法として成立しているから絶対に従え。追放者が町へ入れば許さない。」と。
ジョニーの弟ビリーはいきり立つが、マキューン一味はおとなしく帰っていった。ジョニーは去りがたい衝動を抑えつつ、最後に続いた…。
外へ出ると、ジョニーと一味のいざこざが始まる。そして皆が帰るとき、彼は決心した。この町に残ると。そしてマキューン一味から離れた…。
…ワーロックの町へ向かう馬車がマキューン一味の3人に襲われた。男が馬車から出てくる。しかし、その男を狙撃したのはモーガンだった…。困惑する一味だが、金は奪って逃げた。馬車はワーロック目指して走り去った。
馬車が町に着く。出てきた女はクレイが知っている女だった。クレイに挑んだ婚約者を殺されたリリーという女だ。
クレイ達が馬車を襲った3人を捕まえてワーロックまで戻り、彼らを裁判にかけるため一時牢に入れた。その中にはジョニーの弟ビリーもいた。町の住民は興奮してリンチにかけようとする。しかしクレイが、集団リンチは最も卑劣な行為だと諫め、皆を帰した。
翌朝、裁判のため群保安官がやって来た。皆がこの町に群保安官補も置かないと文句を言うと、募集中だという。そこでジョニーが立候補した。彼は正式に群保安官補に任命された。
群保安官補に立候補するジョニー
(馬の前、リチャード・ウィドマーク)
ジョニーはクレイと違って、この町に秩序を取り戻すのは“対話”だと思っている。必要とあらば彼と対峙する気でいるのだ。
リリー(ドロシー・マローン)とジョニー
リリーはそんなジョニーをクレイの復讐に利用しようと考える。家に招待し、料理を振る舞う。しかし、色々と話していくうちに彼女はジョニーに惹かれ始める…。
一方クレイは丘で早打ちの修練中、数少ないクライ擁立反対派だったジェシーという女性に出会う。
ジェシー(ドロシー・マイケルズ)
彼女は、クレイがマキューン一味を銃も使わずに町から撤退させたことで彼を尊敬し惹かれていたのだ。
そしてジェシーはクレイに会いに来たのだった。“愛”を期待して。それは裏切られなかった。クレイもジェシーに好意を寄せていた。熱い接吻を交わす2人…。
ジェシーの家で食事中、モーガンがクレイを呼びにきた。町を追放された3人が待っていると知らせて来た。決着がつき次第この町を去ろうと言うモーガンとジェシーと結婚してこの町に留まると言うクレイ…。
…3人がクレイの前に姿を見せた。ジョニーはクレイに弟と話させてくれと頼む。聞き入れられた。しかし、ビリーは聞く耳を持たない。
クレイは3人ににじり寄りながら、おとなしく町を出ろと警告する。しかしビリーはクレイに銃を抜けといきがる。物陰からクレイを狙っていた第4の男がモーガンに撃たれ、それをきっかけに銃撃が響いた。ビリーはクレイに殺された…。
説得がむなしく終わったジョニー
ジョニーはこれ以上クレイの手によって死者を出さないよう、単身マキューンの許へ乗り込み、話し合いによって決着を着けようとするが…。
― いやいや、曲者役者3人(リチャード・ウィドマーク、ヘンリー・フォンダ、アンソニー・クイン)の豪華共演ですねぇ。(ヘンリー・フォンダはもうこの頃から「正統派」とは言えなくなっていくんですな…)
ストーリーも良く出来てます。「悪」の集団マキューン一味が町を席巻する。なすすべもない住人。凄腕の雇われ保安官とその相棒の賭博屋の奇妙な友情と愛憎。「悪」の側にいた男が“法の番人”になるという奇抜さ。女に対する愛の形…。
まず、主役の一端を担うリチャード・ウィドマーク。
一時は「悪」に憧れた男だったが、ある事件をきっかけに、「悪」であることを嫌うようになり、ついには「善」の象徴でもある群保安官補になる。「悪」との対峙はあくまでも“対話第一”で、説得出来なかったときは町の住人が立ち上がってくれることを願っているという、実はとてもクリーンな男であったという、なかなか難しい役をさりげなく熱演。うん、熱演なんだけど、熱演と見せないそのさりげなさが渋い。
もう一端のヘンリー・フォンダ。
相棒モーガンに豪華な生活を提供され、点々と「悪」に苦しめられている町へ保安官へと高給で雇われる男。優秀な保安官の印、「黄金銃」を持つ男でもある。そして自分の立場を良くわきまえている男。一つの町に留まるのは、町に平和が戻るまで。町に不要になった時はモーガンと共に去るのみ。しかし今回の町では愛する女が出来、一つ町に留まろうとするが…という、「悪」との対峙はあくまでも“銃”という男を難なくこなすこの演技力の凄さ。この人、上手いとしか形容が出来ない。
たぶん一番難役であっただろうアンソニー・クイン。
唯1人、人間扱いをしてくれたクレイにただひたすら尽くす賭博屋のモーガン。実はリリーに恋心を寄せながら、クレイを邪魔する者を許さず、クレイを英雄にするためには手段を選ばない男。そんな役を余裕たっぷりに演じる。憎いねぇ。
リリーやジェシー、町の人々、マキューン一味の書き込みも巧みだ。ストーリー運びも最後まで飽きさせない。
ひたすらカッコいいラストのヘンリー・フォンダにリチャード・ウィドマークはちょっと喰われた感があるが、監督の力量に違わない出来の映画だと思う。
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コメント
>user t様
はじめまして。
「ワーロック」という懐かしい記事にお便りくださって嬉しく思います。
と、思っていたらDVDが発売されていたんですよね。
先日DVDで再見したところ、もっと上手い書き方があったなぁ…なんて
思うことしきりでした。
やっぱり面白く目が離せない作品でした。
user t様もクラシック映画を中心としたブログを展開とのこと。
クラシック映画の良さを世間に広めていきたいですね。
投稿: オショーネシー | 2009年6月24日 15:14
はじめまして!
『ワーロック』は好きな映画で、かなりの秀作だと思います。フォンダ、クインのキャラクターは印象的ですし、話題にもなっているようにデフォレスト・ケリーも妙に記憶に残りますね。
それにしても、本当によく映画をご覧になっているので感心しました。僕もクラシック映画中心のブログをやっているので、よかったら遊びに来てください。
投稿: user t | 2009年6月17日 14:14
>ボースン様
ご無沙汰しております。
先日やっと退院の運びとなりました。(やれやれ…)
「ゆにゅうばん」という麗しい響き…。そんな羨ましいDVDを鑑賞できるボースン様が眩しいですわ。
この作品、ホントにヘンリー・フォンダがリチャード・ウィドマークより役も貫録も一枚上なところを見せつけるというウィドマーク・ファンにはちょっと悔しい映画ですよね。
しかし作品としては一級。良い映画でした。
投稿: オショーネシー | 2008年8月22日 21:36
こんばんわ。まだ、お留守でいらっしゃいますか?(寂しいです)先日いただいたレスでは入院とのことでしたが、その後お具合はよくなられましたでしょうか。お早い回復を祈っております。
ところで私も輸入盤DVDで再見することができました「ワーロック」。ほんと、一筋縄にもふた筋縄にもいかない、ほろ苦いストーリーですよね~。「格上」を見せつけてから去る、うーんフォンダ、イジワル~(その気持ちも分からんでもないが)!(笑)
投稿: ボースン | 2008年8月12日 21:57
>ボースンさん
やはり、リチャード・ウィドマーク氏ファンのボースンさん、10年以上前の記憶がちゃんとしておられる。
大怪我しておりました。リチャード・ウィドマーク氏。
しかし“おいしいところ”はヘンリー・フォンダがさらっていきます。もうけ役ですね。
ディフォレスト・ケリーは残念ながら「スター・トレック」を見ていないので何とも言えませんが、彼の出演している映画を3本も観ているんですね。
「ハリウッド・アルバム」「東京暗黒街 竹の家」「愛情の花咲く樹」…。
しかし、「ハリウッド・アルバム」はパラマウントのスター総出演映画、「東京暗黒街」はロバート・ライアンしか印象に残らず、「愛情の花咲く樹」はモンゴメリー・クリフトの事故でもめた映画…と、まったく印象に残ってない!!
なんてこった!!
リチャード・ウィドマークとレナード・ニモイの共演も観たかったところですねぇ。
投稿: オショーネシー | 2008年4月13日 22:33
>グリーンベイさん
西部劇は本来苦手なジャンルなんですが…。
この作品は、リチャード・ウィドマーク・ヘンリー・フォンダ・アンソニー・クインの3人がそれぞれベストの演技をしていましたね。
たるみのない脚本、最後までドキドキしっぱなしでした。
「大いなる西部」までもう少しですが、淀川長治氏が西部劇10選に入れているんですか…。
プレッシャーと同時に楽しみになってきました。
投稿: オショーネシー | 2008年4月13日 22:14
オショーネシーさん・・・今日は。
うーーーん。リチャード・ウイドマークは西部劇への出演が多い中で・・・この映画は傑作であるし・・・豪華キャストの中でも最初に名前が挙がっている作品である。(ポスター)
・・・<いやいや、曲者役者3人の豪華共演ですね・・・。
リリーやジェシー、町の人々、マキューン一味の書き込みも巧みだ、ストーリー運びも最後まで飽きさせない>・・・と、こんなご感想で〆ていらっしゃる。オショーネシーさんがこんなふうに西部劇を熱く解説している・・・嬉しくてたまりません。(笑)
ドミトリック監督の撮った西部劇に「折れた槍」(51)・・・これもウイドマーク出演であるが・・・この作品も最後までタルミのないしっかりした演出でしたが、この「ワーロック」(59)も最後まで見る者を惹きつけて離さない作品でしたね。これも先週、NHKBS・2で再見したところです・・・。
この作品の一般の西部劇と違うところは・・・勿論、アクションの面白さは十分用意されている以上に・・・対峙する人間関係が重層的であり・・・一筋縄ではいかないヒネリのきいた人間像を描いている点である・・・。
間もなく「大いなる西部」(58)がアップされるでしょうが・・・西部劇は元々子供向けのものであったが・・・大人にも見応えのある名作も沢山ある。この「大いなる西部」は淀長先生の西部劇10選にも入っており・・・オショーネシーさんが、どんな解説をなさるか今から楽しみにしている・・・。(笑)
投稿: グリーンベイ | 2008年4月13日 11:44
おお、次なるウィドマーク映画は「ワーロック」だったのですね。ま、BSでやってたのは知ってましたので、これは想定内です(笑)
残念ながらウチBS見れないので、十年以上前に見た時の記憶で書いてます。
…うーん、やっぱりラストは一方的でしたか。やはりヘンリー・フォンダ、「食えない」男です。ただ、確か怪我もしてたんじゃなかったかなウィドマーク?(と、ファンは言い訳したくなる…)
そして、個性的な主役三人に次いでというと、女優さんたちを差し置きデフォレスト・ケリーの顔ばかりが脳裏に浮かぶのが、困ったものです(笑)スター・トレックの印象が強すぎるせいで西部劇内で見ると浮いて見えるんですね。五十年代には何本も西部劇に出てるようなので本人のせいではないのですが…。それについ先日の「ニュールンベルグ裁判」には、ウィリアム・シャトナーがチョイ役で出てましたね。奇遇。
…さすがにレナード・ニモイとは、ウィドマーク様共演してないとは思います、が…?
投稿: ボースン | 2008年4月13日 00:02