暗黒街の顔役
監督 ハワード・ホークス
出演 ポール・ムニ/アン・デュヴォラク/カレン・モーリー/オズグッド・パーキンス/ジョージ・ラフト/ボリス・カーロフ
ストーリー
トニー・カモンテはギャングの大親分ビッグ・ルイ・コステロの用心棒だったが、相手のギャングの親分ロヴォに買収されてコステロを暗殺する。そうしてコステロの縄張りを手に入れたロヴォはトニーの手柄と腕前を買って彼を副親分に引き立てる。しかし野心満々のトニーは副親分の地位では満足せず、やがては親分の地位をも狙う下心を抱いていた。それにトニーはロヴォの情婦ポピーにも心を惹かれていた。まずは腕前を見せるために南側の親分オハラを襲ってこれを射殺し、ビール密売の縄張りを拡張する。トニーはさらに勇んで、手ごわい北側へも手を伸ばすことにした。気の弱いロヴォはこれに反対するが、トニーの気勢はもう命令などは受けなかった。ついには機関銃を手に入れたトニーにはもはや敵などいないも同然だったが…。
トニー・カモンテ(中央、ポール・ムニ)
最初はどうってことないチンピラのトニーだったが、機関銃を手に入れてからは鬼気迫るほどの凶暴性を身につける。彼に逆らうものは皆殺しだ。ついにはロヴォの情婦ポピーもトニーの危険な香りにまいり、彼に鞍替えする。
この状況に嘆いているのは母親だけ。妹のチェスカも兄のおこぼれにあずかる始末だ。しかしトニーはチェスカに近親相姦的な思いを抱いており、自分以外の男が近づくのを許さない。だがトニーが全米を制圧し警察からしばらくポピーと一緒に身を隠している間に、チェスカはトニーの手下のリナルドと結婚していた。故郷へ帰ったトニーはまずチェスカの許を訪れる。扉を開けるリナルド。トニーはリナルドを躊躇なく殺してしまう。悲しみ嘆くチェスカ。その時初めてトニーに「後悔」という思いが生まれる。そして、リナルド殺しから警察に追い詰められていくトニー…。
トニー(ポール・ムニ)、ポピー(カレン・モーリー)、リナルド(ジョージ・ラフト)
狂気の男、登場。初めて機関銃をぶっぱなした時の恍惚の表情ときたら、尋常じゃない。
このトニー・カモンテのモデルは、アル・カポネですね。表題のとおり顔に傷があり、「聖バレンタインデーの虐殺」もちゃんと再現されている。
ギャングの抗争のすざまじさ、トニーの妹における異常なまでの思いは、背筋が寒くなるほどだ。ギャング映画は最後が惨めなほど素晴らしい作品になる。この作品もそれを外していない。
良く出来た脚本と素晴らしい監督、そして良質の役者を揃えると映画がリアルになる。まったくもって素晴らしく狂った傑作である。
そしてトニーの手下リナルド役のジョージ・ラフトの粋な色男ぶりに惚れる映画である。コインをもてあそぶしぐさが有名だが、自然に立ち上る男の色気は抗えない魅力なのだ。
| 固定リンク






コメント