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2009年6月 9日

サンセット大通り

1 1950年<アメリカ>

監督 ビリー・ワイルダー

出演 

ウィリアム・ホールデン

グロリア・スワンソン

エリッヒ・フォン・

     シュトロハイム

ナンシー・オルソン

ストーリー

ハリウッドのサンセッド大通りに面するある邸宅のプールに、若い脚本家ジョー・ギリスの死体が浮かんだ。死んだ彼はそのいきさつを語る。失職ライターのジョーは映画会社への脚本売り込みも意の如く進まず、貧窮のどん底にあった。ある日月賦の払込み不足から自動車会社の男に追いかけられたジョーは、サンセット大通りにある荒れ果てた邸宅に逃げ込む。そこにはサイレント映画の大女優ノーマ・デズモンドが、執事のマックスと共に過去の夢に生きていた。ジョーが脚本化だと知ると、ノーマは主演を念願し自ら書いている「サロメ」の脚本をまとめるようジョーを邸に住み込ませることにした。若いジョーにとって、この妄想狂の老女の相手は空虚な生活に違いなかったが、ずるずるとハマり、ノーマと抜き差しならない関係に落ち込んでいくのだった…。

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  死体が語る…。ジョー・ギリス(ウィリアム・ホールデン)

壮絶すぎるほど“グロテスク”な物語。

世間から忘れられたサイレント映画の大スター、ノーマ・デズモンドと彼女に仕える忠実な執事マックス。ところがノーマは自分が過去の人物だとはまったく気づいていない。ファンレターは来るし、映画の構想もある。ただ依頼がないだけ。しかしノーマは強気である。サイレント映画の偉大さを語り、自分が映画界に返り咲く自信は満々である。

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過去に生きる女、ノーマ・デズモンド(グロリア・スワンソン)

ビリー・ワイルダー監督はとっても意地悪である。“これでもか”というように、ノーマ・デズモンドを「過去」の偉大なる大スターとして描いている。すなわち、「今」は落ちぶれ忘れ去られた人物として。

ノーマ・デズモンドの周りは全て時代ががっている。彼女の許に集まる友人はこれまたサイレント映画時代の化石である。バタスー・キートン、アンナ・Q・ニルソン、H・B・ワーナー…。ノーマが観る映画も自分の映画だけである。(そしてそこに映された映画は、皮肉にも執事役のシュトロハイムが監督し未完に終わった「ケリー女王」である)

そして、ノーマの忠実な執事のマックスである。ノーマのことを「奥様」と言いかしずいているが、かつてはノーマを発掘し、自ら監督し、夫であった男なのである。この不気味な設定には絶句するしかないのである。そしてジョーにノーマの執事になった顛末を告白するシーンは、シュトロハイムのイミテーションである。

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時代物の車で出かけるマックス(エリッヒ・フォン・シュトロハイム)、ジョー、ノーマ

まるでノーマもグロリア・スワンソンのイミテーションのようだが、やがてジョーを愛しはじめたノーマが彼の心を繋ぎとめるために、水着美人(駆け出し時代やっていた)やチャップリンの物まねをしてみせたり(やはり駆け出し時代、チャップリンの映画にチョイ役で出演したことがある)する場面は鳥肌ものである。

そして、大御所監督セシル・B・デミルの登場である。グロリア・スワンソンとコンビを組んで大ヒットを飛ばした監督。実名での登場である。そしてノーマを「ヤング・フェロウ」と呼び、「サロメ」のひどい出来の脚本に弱りながらも巧みにかわし、彼女を手厚く迎える。

8

       ノーマと、セシル・B・デミル監督

ノーマは、「サロメ」のことで呼び出しがあったのだと思いいそいそと撮影所に駆けつけ、皆から盛大に歓迎されるが、実はノーマの車をあるスターの映画に貸してもらえないかという皮肉に満ちたものだった。

ノーマのヒモとなり下がり恋もままならない、仕事にも嫌気がさしてくる、自分にもほとほと嫌気やさし邸を後にする決心をするジョー。一方ノーマは「サロメ」に傾倒していく。「サロメ」はノーマの命そのもの。「サロメ」を演じるため若返りの努力は狂気じみ、ついには「サロメ」そのものになってしまう幕切れは壮絶だ。

グロリア・スワンソンもシュトロハイムもよく役を引き受けたなぁ。2人は真の「プロ」である。

コメデイー映画の評価が高い監督だが、「深夜の告白」や「失われた週末」、それにこの作品のような“怖い映画”の方が好きである。実はビリー・ワイルダー監督の真価は、“怖い映画”の方にあるのだと思っている私である。

4

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コメント

>たけだ様
調べてみたら、グロリア・スワンソンの「港の女」の特典映像は
8分もあるんですね。
それを500円DVDに入れるとは、水野晴郎コレクション恐るべし!!です。
しかしネットで注文しようとしたら送料のほうが高いことが判明しました。
私の住んでいるところは長野県の田舎なので、非常に迷っています。
「男性と女性」もネットレンタルではヒットせず、観るのは難しいでしょうね。
粘り強く探してみますが、ん~…なんとも残念です。

リタ・ヘイワース版はやっぱり覚悟がいりますか。
情報、ありがとうございました。

投稿: オショーネシー | 2009年8月23日 22:05

こんにちは

スワンソンの断片が収録されている『雨の欲情』は、新品でも500円ですよ。
『男性と女性』は、レンタルで見る手もあるとおもいます。

ヘイワース版を私も持っていますが、内容については「覚悟して見てください」としかいえません。

私は、ワイルダーのコメディーは妙に持ち上げられているなあと思っている一人なのでオショネシーさんの評価に賛成です。

投稿: たけだ | 2009年8月23日 07:32

>たけだ様
「男性と女性」「雨の欲情」は未見なんですが、
淀川長治さんの名調子で観た気にされられる映画ですね。
しかし、IVCは画質の悪いDVDを出す会社で有名、
特典映像の断片…となると手が出しにくいですね。
「雨の欲情」のリタ・ヘイワース版はDVDを所有していますが
まだ未見です。
スワンソン版、クロフォード版に比べると落ちるとのこと。
リタ・ヘイワースはファンなんですけど、ちょっと躊躇しています。

ビリー・ワイルダーは監督としてよりも、脚本家としてのほうを評価しています。
なんといっても「ニノチカ」の脚本家ですから。
私にとってもワイルダー監督作品は、「お熱いのがお好き」で終わりなんですね。
その後で「アパートの鍵貸します」で、アカデミー賞を受賞しますが
後の祭り…みたいな作品です。
監督としては、コメディよりも、「深夜の告白」「失われた週末」「サンセット大通り」と、怖い作品のほうが好きですね。

投稿: オショーネシー | 2009年8月22日 21:52

こんばんは

私の知る限りスワンソンのサイレント期の画像を見る事が出来るのは『男性女性』(IVC)と『雨の欲情』(ファーストミュージック株式会社)の2枚です。
前者は、セシル・B・デミル及びスワンソンのサイレント期の代表作の一本と言われています。
後者は、1932年のジョーン・クロフォードによるリメイク版のDVDですが特典映像としてスワンソンの『雨』の断片が収録されています。
因にリタ・ヘイワースのリメイクもDVDで発売されています。
スワンソン版の監督はウォルシュ、クロフォード版はマイルストン、ヘイワース版はカーティス・バーンハート。

ワイルダーは、あまり好きではないので『サンセット大通り』に関してはあまり言う事は有りませんが、この頃までのワイルダーは結構面白いと思います。
『第17捕虜収容所』以降は、これ見よがしで嫌いです。
この映画のリメイクとも言うべき遺作『悲愁』にはちょっとホロリとしました。

投稿: たけだ | 2009年8月21日 23:21

>グリーンベイさん
アカデミー賞ではすっかり無視されて、舞台を舞台にした「イヴの総て」の独り勝ちでしたが、グロリア・スワンソンはノミネートされたんですね。
このような内容の作品は、メアリー・ピックフォードは断るでしょうね。
と、いうか上手くいかなかったと思います。
ビリー・ワイルダー監督は絶対役と重なる女優を探していたと思うんですよ。
この映画のおかけで、グロリア・スワンソンは幸せな晩年を送りましたね。
「エアポート'75」では彼女自身の役で出演していましたし、自伝を書いたり。
彼女のサイレント時代の映画を観てみたいですね。

投稿: オショーネシー | 2009年6月11日 21:40

 オショーネシーさん・・・こんにちは。
うーーーん。異常な内容にして、映画史に残る名作のアップですね!。こうした映画を撮れた監督ビリー・ワイルダーの
、この世界での存在感の凄さを感じる。また、主人公ノーマを演じたグロリア・スワンスン嬢のプロ魂には敬意を表さず
にいられない・・・。当初、監督はサイレント時代の大女優メアリー・ピックフオード嬢に交渉したが、あっさり断られた
経緯がある。作品には人気商売の裏表を見せ付けられ・・・悲しいと云うより哀れささえ感じる。スワンスン嬢は最晩年
出演作品だが、アカデミー賞にノミネートされたんですから、彼女自身も最後に、この世界に上手く復帰したとになる・・・。
でも事件記者のフラッシュを浴びて大女優気取りで品をつくる彼女には恐ろしく寒くなったが・・・凄い女優さんですね。

投稿: グリーンベイ | 2009年6月11日 14:12

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