四十挺の拳銃
監督 サミュエル・フラー
出演
バーバラ・スタンウィック
バリー・サリヴァン
ディーン・ジャガー
ジョン・エリクソン
ジーン・バリー
ストーリー
1890年代。力が物を言う西部開拓時代のアメリカ、アリゾナ州コーチス郡。そこは女ボス、ジェシカが牛耳る町だ。彼女は大牧場を経営するかたわら、賄賂で政治家をてなづけ、40人の荒くれどもからなる武装集団を従えていた。ある日、郵便強盗を逮捕するため、2人の弟と共にこの町へやって来た連邦保安官のグリフは、町で暴れ無法の限りをつくしていた男ブロッキーの逮捕に貢献する。しかしプロッキーがジェシカの弟だったことからすぐに釈放され、郵便強盗として逮捕された保安官助手はジェシカの手下によって殺されてしまう。一方グリフの上の弟ウェスは鉄砲加治屋の娘と恋に落ちる。やがてグリフとジェシカも惹かれあうが…。
女ボス、ジェシカ(バーバラ・スタンウィック)
大平原をゆっくり進む粗末な2頭立て馬車。その姿に黒い雲がかかる。その向かいから勢いよくジェシカを先頭に40頭の馬が土埃を残して走り去る。馬車に乗っていた3兄弟はすっかり汚れてしまって、街に着くと公衆浴場へと急ぐがそこにはジェシカの弟ブロッキーが酒に酔い街を破壊していた…。
ハワード・ホークス的な西部劇の趣があるが(登場人物が歌を披露するしね)、それを裏切らない映画の出来である。
女ボスの姉の威光の陰で傍若無人な振る舞いに及ぶ弟。その弟を歩き方一つでビビらせる男グリフ。無敵の男として有名なグリフ。連邦保安官として正義を実行するが、銃には決して頼らないのだ。もう10年も人を殺していない。しかし、弟の逮捕も無情にジェシカの力ですぐに釈放になってしまう矛盾に唇を噛みしめる。
コーチス郡ではジェシカの力が物をいう時代だが、1890年代という時代ははニュー・フロンティアの時代。グリフは自分が時代遅れの人物だと悟っている。だからボネル家3兄弟の末弟チコには銃を持たせたくない。彼は父親の許へ農夫として送られることになる。
ボネル3兄弟。グリフ(バリー・サリヴァン)、チコ(ロバート・ディックス)、ウェス(ジーン・バリー)
グリフとジェシカは初めて言葉を交わしたときから、恋に落ちる。
そして、保安官のローガンとジェシカの尋常なざる関係。ローガンはジェシカを愛しており、彼女のために悪事を働いてきた男。しかし、グリフとジェシカが妖しい関係になると、グリフを殺そうとし、ジェシカに愛を乞う。だがジェシカの気持ちはグリフにあり、ローガンは小切手一枚でお払い箱になる。なんとも哀れな結末である。
そしてジェシカの弟ブロッキーは、グリフに恨みを持ち暴走は止まらない。最後は姉のジェシカを盾にグリフに戦いを挑む。
ジェシカを人質にグリフに戦いを挑むブロッキー(ジョン・エリクソン)
最後は意外な展開でグリフVSブロッキーの幕は閉じる。
― ストーリーも素晴らしいが、なんといっても魅力的なのが、女ボスのジェシカを演じるバーバラ・スタンウイックである。毅然としている女ボスだ。税金のほとんどを自分のものとし、政治家に賄賂を気前良く送る女でもある。数々の悪行を重ねているが、グリフ役のバリー・サリヴァンとの会話と絡み合う視線はセクシャルだし、黒ずくめの衣装でで馬にまたがる姿はとてもかっこ良くシェイプされていて、50歳とは到底思えない。
グリフが保安官助手を殺した男を逮捕しに、ジェシカの領地にやってくる。すると突然の竜巻が2人を襲う。ジェシカの馬は暴れ、落馬し引きずられるジェシカ。これをスタントマンに頼らず自分で演じたんだから大したもんだ。尊敬せずにはいられない。
バリー・サリヴァンも好演。実に味わい深い顔をしており、鋭い眼光が印象的。
スペクタクルでもあり、濃厚な恋愛劇・憎愛劇でもある。そして青少年の非行に警鐘を鳴らした作品でもあると思う。
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コメント
たけだ様
いやーーーーーーーっ、もう感激ですーーーー!!!
中学生くらいの頃、この、重厚で、哀愁を帯びたピアノ演奏聴くたびに、映画の余韻に浸りながら、ああ、また明日から学校だという思いが入り混じっておりました。その頃にも、友人に、あの曲なんていうの?って聞いても、みんな知らないみたいで、こうして、何十年もの間謎のまま・・・・。あの演奏もう一回きいてみたいな・・・・と思っていたんです。タイトルがわからないし、調べようがないなとあきらめていたのですが、たけださまに教えていただいて、さっそく、You Tubeの方まででかけてみましたら、今年になって、まさに、番組のエンディングそのままの演奏をアップしてくださった方があったんです。みんなの感想コメントは、今の私の気持ちとまったく同じで、みんな考えていることは一緒なんだーーーと、うれしかったです。
ほんと、久しぶりに聞いて、涙が出そうなくらい懐かしかったです。
たけださま、情報おしらせくださり、ほんとうにありがとうございました!
投稿: なにわすずめ | 2009年9月 6日 22:39
なにわすずめさん
日曜洋画劇場、エンディング、音楽、もしくはSo in loveで検索すれば答えが見つかります。
私は、ラフマニノフかティオムキンの曲だろうと思っていましたが違いました。
投稿: たけだ | 2009年9月 6日 10:54
わーーん、さっそくお二人からお返事頂戴いたしまして、恐縮です。ありがとうございます。
>たけだ様
お返事ありがとうございます。
私も、海外からDVDを取り寄せるときは、Fantasiumを利用していますので、スペイン盤が最近ようやくリストに入ったことを知っているのですが、価格があんまり変わらないドイツ盤とどちらにしようか迷ってるところです。
特典は、あまり大差なさそうですが、色調や画像の面ではどうなのかな・・・。なんとなく、ドイツ盤のほうを購入しそうな気はしてるんですけども。どちらにしても、英語字幕がないのが少々難ですね。
それから、You Tubeで一つだけアップされているクリップは、貴重ですね。どなたか、全編アップしてくださるとうれしいですね。 それにしても、大昔にTV放映されたのが、何曜日なのかまで、みなさん克明に記憶されていてびっくりします。でも、名解説と共に意外と覚えているものなんですね。残念ながら、この作品に関してはTVで見た記憶がほとんど薄いんです。
日曜日の淀川さん解説の放送後、エンディングに流れる曲がいまだに何かわからないまま、気になっています。
どなたかご存知でしょうか。
>グリーンベイ様
お返事ありがとうございます。
マニアックなのはウィドマーク様作品限定です(笑)
この作品、BSで放送したことがあるんですか!?ちっとも気が付きませんでした。
BSって、わりと頻繁に同じ作品を放送してますよね。最近だと、スタージェス作品は、「荒野の七人」をやってました。
ウィドマーク様関係だと、「ワーロック」や「ニュールンベルグ裁判」が今年に入ってから2回ぐらい放送されています。
BSで、「六番目の男」をやってくれたら、字幕ばっちりだし、すごく嬉しいですーーー。
渡辺支配人にリクエストの案、さっそく実行してみようと思います!!
それにしても、今から思えば、少し前まで、民方の洋画って、本当に充実してましたね。
あのころの放送を録画保存されてるみなさん、まさにお宝ですね!!
投稿: なにわすずめ | 2009年9月 3日 19:34
なにわすずめ様・・・こんにちは。
うーーーん。映画マニアックな方とお見受けします。
「六番目の男」(56)・・・マイコレクションは十数年前に民放(東京12チャンネル)放映を
録画したものです。NHK・BSで放映されませんでした?。スタージェス特集がございましたね。
マイコレクションに既にあるもので気にも止めませんでたが・・・。NHKのシネマ堂渡辺支配人に
リクエストしたら如何でしょう。
投稿: グリーンベイ | 2009年9月 3日 13:23
なにわすずめ様
日本のFANTASIUMでスペイン版の『六番目の男』が3,334円で発売されています(英語字幕はありませんが)。
英語字幕はありませんがフランスではウィドマークボックス4枚入り(六番目の男、ワーロック、悪の花園、ガンファイターの最後)が30ユーロ前後で発売されています
この作品は水野晴朗の金曜ロードショウで80年代に放映さたとおもいますし、他にも何回か放映されたと記憶しています(私は金曜ロードショウ以外で見たように思います)。
断片はYUTUBEやTURNER CLASSIC MOVIEで見ることができます。
投稿: たけだ | 2009年9月 3日 10:53
はじめまして、グリーンベイ様。
ウィドマーク様ファンのなにわすずめと申します。この場をお借りしまして、お尋ねしたいのですが、よろしいでしょうか。
以前、「拾った女」のコメントで、「六番目の男」の話題をご提供されていたと思うのですが、私も、あの作品をとても見たいと思いながら、まだ、日本ではDVDが発売されていませんし、海外で発売されているものも、英語の字幕がないものばかりなようで、(英語の字幕があっても十分に把握できるわけではないのですが)、購入したいけど、どうしよう・・・・と、躊躇しております。(スペインとドイツそして、イギリスから発売されているようです。何で、本国のアメリカでこれがいまだ発売されないのか不思議なんですが・・・・)
グリーンベイ様は、どのようにして、この作品をご覧になったのでしょうか。
もし、過去に劇場でご覧になっているとすれば、ほんとうにうらやましい限りですが、TVで放送されたものでしょうか。
また、海外で発売されているこの作品につきまして、何か情報などご存知でしたら、お知らせいただけますとうれしいです。
よろしくお願いいたします。
投稿: なにわすずめ | 2009年9月 1日 22:13
ようやくグリーンベイさんのコメントが付いたので私も発言。
例の『映画は戦場だ』ではインタビュワーは先ず青少年の犯罪に付いて話しを切り出しています。
そして青少年の犯罪と言う文脈では『理由なき反抗』、女性が主人公の西部劇と言う文脈では『大砂塵』との関連をフラーに質問しています。
グリーンベイさんのご指摘の理由からか、この作品が未公開の国は多いようです。
フランスでも未公開ですがゴダールは試写会ででも見たのか「東京暗黒街竹の家とともにフラーの最高傑作」とカイエ・デュ・シネマで賛辞を書いています。
残念ながら私も未見です。
1957年は『決断の3時10分』『胸に輝く星』『OK牧場の決闘』など51本の西部劇が製作された年だったようです。
投稿: たけだ | 2009年9月 1日 22:12
>グリーンベイさん
ご無沙汰しておりました。
御心配には及ばないような理由でブログが書けなかったんですよ。
今も気が散ってなかなか書けません。
それもこれも不況のせい…ですね。ストレスがたまります。
「四十挺の拳銃」、作品的にはA級、出演陣はB級といったところでしょうか。
当時流石のバーバラ・スタンウィックもB級西部劇の女王だったんですね。
男性陣に至っては皆知らない俳優ばかりです。
しかし、堂々の20世紀フォックス作品。ザナックも満足がいくできだつたそうですよ。
投稿: オショーネシー | 2009年9月 1日 21:25
オショーネシーさん・・・こんにちは。
うーーーん。お久しぶりです。お元気でしたか?。心配しておりました。
バーバラ・スタウイック嬢・・・当時は、美人スターでしたね。・・・あのロバート・テイラーと
結婚したが、やがて離婚している。彼女の西部劇出演は少なくないが、やはりセシル・B・
デミルの「大平原」(39)でしょう・・・記憶が鮮明に残っている・・・。
この「40丁のガン」は未公開ですね。佳作ではある様ですが、残念ながが興行的には
当たらなかったでしょうね。なぜなら、男性西部劇スターが出演していないから・・・でも1950年代の
西部劇トーンは感じられるようですが・・・。
投稿: グリーンベイ | 2009年9月 1日 14:04